2025.07.02
ここ数年「旧家リフォーム」を毎年させていただいていますが、今年になりまたご依頼が増えてきました。しかも「築100年」「築139年」といったとても古い建物です。
築100年の方は、すでに調査と計画が進んでいます。この時代の建物は基礎はありません。「一個石」の上に柱が建っているいわゆる「伝統工法」の建物です。2日間かけて耐震調査を入念に行い、耐震補強設計を構造専門の設計事務所に依頼し、お客様の希望プランとのすり合わせを行いました。このような建物は、現代の新築住宅のように構造合板や耐震金物で固める工法は合いません。地震の際、建物は揺れるが揺れながら壊れずに耐え得る・・・というような補強方法が必要です。今回もそのような工法での「耐力壁」をバランスよく配置して地震に対して安心して暮らしていただけるように強化します。その上で、現代の技術や建材を使って気密断熱工事を行い、快適に暮らしていただけるように基本性能をUPさせます。そして、全てをピカピカに新しくするのではなく、「古い梁」「立派な建具」などを活かし新旧融合の家に再生させます。
もう一軒の築139年の家は先日初めてお伺いしました。正直、あまりにもしっかりしていて驚かされました。100年を超えてもしっかり住居として存在していることに、「木造住宅の強さ」「木の力」を改めて実感しました。そして両家とも、このような建物を壊さずにリフォームしてこれからも住み継いでいこうというお施主様の決意に正直感動し心から嬉しく思いました。
両方の建物に共通しているのは「立派な良い材木」を使っている事です。リフォーム工事で色々な現場を見ていると昭和初期以前の建物の方が良い木が使われているような気がします。139年前といえば明治19年!当時は「ケヤキ」や「松」など立派な木が多くあったのでしょうね。そんな山の木を一本一本切り出して乾燥させて、手作業で加工して削って柱や梁に仕上げて家づくりをしていたんですね。尊敬しかありません。
このような長い年月にわたり何世代も住まいし、またこれからの世代に引き継いでいく・・・そんな旧家の再生のお手伝いをさせていただく事は、建築業に携わる者としてとても誇りに思い同時に責任の重さを痛感しています。「壊さずにリフォームして良かった!」と思っていただける工事をしっかり行っていきたいと思います。
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