2024.07.04
風にそよぐ山採りのアオダモが、石畳にやわらかい木陰を落とし、お気に入りの2.5寸角の桧の縁側に腰を掛けてその様子を眺める。
数ある「この家の好きなところ」のひとつです。
この家にすんで一年が経ちました。(感想をお伝えするのが遅くなってすみません)
ただそのおかげで一年を通してこの家を堪能した上での感想をお伝えさせていただけそうです。
この家の、目につく仕上げのほとんどが杉ですが、とにかく柔らかい。これは硬さだけの話ではなく、なにか気持ちまで柔らかくしてくれるような素材だなと日々感じます。
もちろんキズはつきやすく、リモコンを落としてへこんだ床に当初は躊躇しましたが、慣れればそれも気にならず、今は子供たちが日々つけるキズも家族の記録のようで、スギの経年の変化とともに刻んでいけたらと思っています。
内装の仕上げには、要所で漆喰をコテおさえ施工していただきました。職人さんが丹念に塗り上げた壁は、マットでありながら光沢があり、差し込む日の光をやさしく受け止めてくれます。
外観はというと、伝統的な三角焼きでつくられた焼杉を全面にはってもらいました。炭化層が一般的な焼杉より分厚く、耐久性では申し分のない優秀な材ですが、家が巨大な黒いかたまりになってしまうのではないかと心配でもありました。
ですが、朝日に照らされた焼杉がキラキラ光っている様子を見ると、表情の豊かさに驚かされます。そこには心配していた威圧感はなく、まわりに溶け込む穏やかな雰囲気があるように感じます。
ご近所さんから「この辺が明るくなったわ」と声をかけてもらえ、少し灯りや緑を地域におすそ分けできたのかなうれしく思っています。
また性能面では、これからの住まい方の最適解を試行錯誤していただきました。実際に一年過ごして、その快適さは想像以上です。よく社長にお伝えするのは、冬の朝寒くて布団から出られないがなくなり、分厚い羽毛布団がいらなくなった話です。
と例を上げると切りがありません。
ただ、家の大枠から細部に至るまで職人さんたちの手仕事が垣間見れるので、ふと窓を見たとき、手摺に触れたとき、冬の陽が差し込んだとき、その瞬間、瞬間に心が洗われるような気持になります。
これらを実現してくださった皆さんには、この場を借りて改めて感謝をお伝えしたいと思います。
本当に根気強く、ワガママにお付き合いいただきました。
皆さんには良い家をつくっていただいたので、これからは私たちで良い家に育てていきたいと思います。
最後に
もし家づくりを考えている友人がいたら、「家を買いたい」はおすすめしません。
「家を建てたい」にはぜひおすすめして、とことん楽しんでもらいたい、そんな工務店です。
*K様ご感想をありがとうございました。
良い家に育てていきたいとの想い、私どもの願いと同じで大変うれしいです。
木の家で笑顔な日々をお過ごしいただけますように。