2023.09.25
築100年旧家の屋根改修工事をさせていただきました。
今が2023年なので、100年前は1923年・・・大正時代です。(大正時代1912~1926年)その時代に建てられた家を、今回改修してまたこれから100年住み続けられるように・・・というご依頼です。3世代前くらいのご先祖さんが建てられた家になりますが、100年経過した建物とは思えない程、しっかりした状態です。もちろん伝統工法で、お寺のように柱は石の上に載っているだけです。ですが大きな傾きもなく、建具もスムーズに動くようです。
今回屋根瓦と土をを下ろして、補強のために屋根下地の杉板を二重に敷いたのですが、元々の下地板の状態もそれほど傷んでなく驚きました。この屋根下地材を始め、柱や梁、床板に至るまで、とても立派な木材が使われています。この家は「厨子二階(つしにかい)」という構造で、いわゆる2階部分の天井が低くて、物入になっています。その「つしにかい」の床板がこれです。
100年前の板に見えますか?「木の力」は恐るべし・・・です!良い木材で、良い技術を持った大工さんが建てた木造住宅は100年経っても大丈夫!という事を証明してくれています。
今回の工事は、まず屋根瓦と土を下ろして、新しい瓦に葺き替えをしました。それに伴い破風板(はふいた)を取り替えさせていただきました。破風板とは、屋根の妻側の先端に取り付けられた板の事です。ここは雨風をもろに受けるところなので流石に痛んでいました。下から見ているとわからないのですが、大きな屋根ですので片方だけで5.5mもの長さがあります。大切な部材ですので、知人の材木屋さんの倉庫で長らく自然乾燥で保存されていた良材を6枚譲ってもらい使わせていただきました。この破風板は屋根の形に添って曲がっているのが通常です。大工さんにこの屋根の「むくり(まがりの事)」に合わせて加工してもらいました。
吹き替えられた美しい和瓦と、この新しい破風板で一気に100年旧家がよみがえりました!その上、「つしにかい」部分の外壁しっくいも塗り直させていただきました。
良い材木と大工の技・・・腕のいい屋根屋さんと左官屋さん・・・のおかげで、素晴らしい仕上がりになりました。酷暑の中の屋根上の作業でしたが、皆さん体力と気力を振り絞って頑張ってくれました。これでまた、お子さん・・・お孫さん・・・その次の世代まで住み継いでいただける事でしょう!日本の旧家は良いものだなと改めて感じました。と同時に、このような建物は残していかないといけないと強く思いました。
Before After の外観です。
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